連載作品寸評コメント
たられば(@tarareba722)
編集者
たられば(@tarareba722)今回の6作品のなかでいい意味で(絵柄も構成も)一番まとまっていた作品だったと思います。「ちゃんと終わるんだろうか…」というハラハラ感がなく、安心して読めました。それとともに本作にとって「仲間」というテーマがどういう意味を持っていたのかが気になりました。
ストーリーを形作る「外枠」になったとは思うのですが、展開するにつれて「制約」にもなったのかなと感じました。主人公と川崎さんは「仲間」だったのか、それとは別の関係性もあったのではないか、「それ(主人公と川崎さんとの関係)」は何より他のメンバーとの関係とどう違ったのか、同じだったのか、というあたりが、最終話を読んで感じられた次第です。
シャープさん(@SHARP_JP)
シャープさん(@SHARP_JP)
仲間という言葉は耳障りがいい。「俺たちは仲間だ」とか「みんな仲間じゃないか」というセリフを聞いて、ネガティブな光景を思い浮かべる人はいないだろう。仲間とは圧倒的に正論な言葉なのだと思う。
しかし「ほんとうにそうか?」と鋭い視線を突きつけてくるのがこのマンガだ。仲間は自称できるのか。仲間とは無私で無欲な関係なのか。仲間とはほんとうに対等なのか。耳障りのよさの底に潜む、私たちの黒い気持ちを炙り出してくる。
また奇しくも、この作品も「友人の意志を継ぐ」というテーマで、ほかの候補作に共通するものだった。「つくり続けるには」という問題は、漫画家さんに限らず、創作を志す人の中に意識されるものだろう。そういう業のようなものを抱える人こそ、これらの作品を読んでほしい。