連載作品寸評コメント
たられば(@tarareba722)
編集者
たられば(@tarareba722)シリーズを通して、「熱意とは誰かから伝わり、誰かへ伝えるものである」というテーマを感じました。その媒介がマンガ作品ということで、本作を読みながら伝わるものも多かったと思います。
このシリーズを読んでいて「物語というのは誰のものなんだろうな」ということを何度か考えさせられました。作者(たとえば「原作者」、「作画者」)のもの…ではないのか、では読者のものなのだろうか、誰のものでもないのだろうか、と。本作を読んで、「これはわたしのための物語だ、と感じた人のものなんだろうなあ」という考えになっています。
あと、何度か書いていますが『NOAR』読みたい。
シャープさん(@SHARP_JP)
シャープさん(@SHARP_JP)志なかばで夭折した漫画家の原案を、親友が漫画にして世に出す。友人の遺志を継ぐことに奮闘する様子が、この作品のテーマとして設定された「熱意」なのだろう。だがこの作品は、なんとか漫画を世に出した後のことに多くのページが割かれた。
有名漫画家であった友人の原案を自身の名で出す行為に沸きあがる世間からの賛否。あるいは無理をしすぎた先の心身の不調。そして成功を収めた後の作者の虚無と不安。この作品のよさは、熱意の後を描こうとしたところにあるのではないか。なにかを成し遂げるには、熱意だけでは足りないし、熱意にも代償がある。そしてそれこそが、夭折した友人が身をもって伝えようとしたことにつながっている。