中途採用で入社されたT.Mさん。これまでのご経歴と、転職先にクニエを選んだ理由を教えてください。

大学院で「金属疲労」の研究に取り組み、大手重工業メーカーに研究職として入社しました。そこでは金属疲労に関する研究のほか、金属疲労などによって製品にトラブルが生じた場合の相談対応に携わっていました。
研究職は、1つのテーマについて腰を据えて年単位で掘り下げていく仕事です。しかし、もっと短いスパンで成果を上げ、様々なことに挑戦できる仕事につきたいと考えるようになったのです。そこで、向いていると思ったのがコンサルタントでした。
知人にコンサルティング業界の事情を聞いたところ、「外資系ではなく、かといって日系の伝統的すぎる会社でもない」クニエが合うのではないかとのアドバイスをもらいました。自分でも調べた上で、クニエがお客様に最後まで寄り添う“伴走型の支援”を目指している点に惹かれ、2021年7月に転職しました。

入社後、中途採用者向けの研修でどのようなことを学びましたか。

製造業の開発から調達、生産、販売、サービスまでの全体的な流れであるバリューチェーンの基礎知識と、コンサルタントとして必要とされる「物事のやり方を考える」「整理する」「分かりやすく伝える」などのスキルや、「フレームワーク」などを学びました。
習得するのに苦労したのは、資料の作り方や説明の仕方でした。前職の研究職のときには「事実を伝える」ことを大切にしていましたが、コンサルティングでは「事実に加えて、自分の考えをきちんと伝える」こと、「できる限り相手に分かりやすく伝える」ことが求められます。この2つは前職ではあまり意識していなかったことでした。

現在、所属しているチームと担当しているプロジェクトについてお話しください。

クニエではチーム別にキャリア採用を実施しているので、製造業を対象領域とするチームに応募し、マニュファクチャリング（製造）系のソリューションチームに配属されました。データを使って将来像を示し、経営の方向性をお客様と共に考える仕事をしています。現在進行中のプロジェクトでは、将来像の策定が完了し、現状の把握を進めている段階で、今後はデータシステム構築を目指していきます。

前職の企業とクニエを比較して、どのような違いを感じていますか。

前職では複数の案件を掛け持ちし、同時並行で取り組んでいましたが、クニエではシニアコンサルタント職までは同時期に１つの案件だけに集中できます。所属チームにもよりますが、ここは前職と大きく違う点です。
また、前職は“物”を相手にする仕事でしたが、クニエでは“人”を相手に仕事をします。相手が“人”なので、こちらの意図がうまく伝わらない場合があります。人によって受け取り方が違うため、相手の思いをくみ取り、伝え方を工夫しなければなりません。
お客様から「こういうことで困っている」と相談いただいた場合、その内容が課題の本質とは限りません。お客様が問題を整理しきれていなかったり、ご自身が直接関わる部分だけを把握していたり、ということがあるからです。そこで、我々コンサルタントが情報を整理して「お話のポイントはこういうことですね」などと確認しながら話を導く必要があります。それが人を相手にする仕事では重要だと感じています。

事業会社で培った業務経験はコンサルティングに活かされていますか。

実をいうと、私が前職で研究していた金属疲労の知識は今のところ役に立っていません（笑）。一方で、製造業者がどのように材料を調達しているか、製造工程でどのような加工をしているかといったことは把握していますし、製造工程に関わる業務が全体としてどう回っているかもイメージできます。こうした知見はコンサルティングに活かせていると思います。
また、コンサルタントは、他のあらゆる仕事で”こなせることが望ましい”とされる「段取り」「考え方をうまく伝える」「やり方を工夫する」といった素養を専門性として強く求められます。その意味で、前職で仕事を進める際に工夫していたことや、他の人に研究内容を伝える努力などは現職でも役に立っていると感じますね。
クニエでは特定の領域に明るく業界の経験が豊富なキャリア入社の社員と、フレッシュで才気あふれる新卒社員がコラボレーションすることでチームとして高い専門性を発揮しています。新卒社員の方にとっては、早くから専門性を身に付ける環境が整っているとも言えます。

今後のキャリアプランと目標をお聞かせください。

「一緒に仕事をした方々が新しいプロジェクトを立ち上げる際、声を掛けてもらえる存在になる」というのが当面の目標です。また、近年、データを資産として捉える動きが広がり、今後はデータを活用しなければ、社会全体が回っていかなくなります。企業がそうしたデータ活用に踏み出し、世界をリードしていくためのお手伝いをしていきたいと考えています。